公開講演会

●学会賞受賞記念講演と公開シンポジウム

 受賞記念講演・公開シンポジウムは2017年3月12日に京都府立京都学・歴彩館アクセス情報)にて開催されます.本大会では,学会賞受賞記念講演と公開シンポジウムの両方を一般公開します.会員・非会員を問わず無料でご聴講頂けますので,関係者にご周知頂き,多数ご参加頂きますようお願い申し上げます.事前の申し込みは不要です.

□学会賞受賞記念講演(9:30 開演‐11:50 終了)
 学会賞「被子植物の種レベルに現れる多様性の解析の試み」
 岡田 博(兵庫県立大学・元大阪市立大学理学部附属植物園長)
 学会賞「テンナンショウとともに30年」
 小林禧樹(兵庫県植物誌研究会)

 奨励賞「植物標本の収集・保存・利用のこれから」
 志賀 隆(新潟大学)
 奨励賞 「カヤツリグサ科植物の系統分類学的研究」
 矢野興一(岡山理科大学)
 奨励賞 「世界の水草よもやま話」
 伊藤 優(中国科学院)

休憩 11:50‐14:00

□公開シンポジウム(14:00 開演)
「春が来た! 野山の草のサイエンス」
 この季節にちなんで,身近な植物であるタンポポにまつわる「へぇ?」というお話,愛好家が多い雪割草(ミスミソウ)の「ほぉ?」というお話,開催地である京都の植物園の「見どころ」をまとめて3話ご提供します.
 オーガナイザー:瀬戸口 浩彰(京都大学 人間・環境学研究科)

「セイヨウはなぜ強い?タンポポから探る繁殖干渉」
 西田 佐知子(名古屋大学・博物館)
 近畿地方のカンサイタンポポはここ約40年で減少して,代わりにヨーロッパ原産のセイヨウタンポポが増加しました.私達はこれをセイヨウによるカンサイの駆逐と考え,その原因を調べてきました.セイヨウは花粉を使わずに勝手に(無配生殖で)種子を作るため,セイヨウからカンサイに向けて,一方向性の繁殖上の邪魔をしています.野外調査や授粉実験を行ったところ,カンサイはセイヨウに囲まれると雑種で不健全な種子が増え,結実率が悪くなりました.このような現象を「繁殖干渉」と呼びます.私たちの身近な野原で,外来と在来のタンポポの間で起きていることをお話しします.

「雪割草の花は,なぜ多彩なのか」
 亀岡 慎一郎(京都大学 人間・環境学研究科)
 ミスミソウは古くから古典園芸で親しまれてきた山野草の一つです.花の色や形,模様がとても多彩であるために高い人気があります.3月の終わりから4月にかけて,他の植物が芽吹くよりも一足先に開花することから「雪割草」の別名でも有名です.群落の中に多様な花色があり,しかも異なる色の株が隣り合って生える特徴があります.なぜ色々な色彩の花が維持されているのだろう?ということを野外調査やDNA分析で調べた結果,色・形が違う花の間を昆虫が行き来していることがわかりました.また,種子生産量と花被片の食害度を,花の色ごとに調べたところ,個体数が最も少ない青色の種子生産量が最も多くて,食害度も低いことが判りました.子孫を残すうえでは,「少数派が有利」になることが,集団内で異なる花色の株が維持されている原因になっていると考えられました.

「春の植物~桜と桜草」
 長澤 淳一(京都府立植物園長)
 京都府立植物園では約130品種450本の桜を植栽展示しています.さらに120品種の苗をバックヤードで栽培しています.染井吉野と枝垂れ桜の開花に合わせて3月25日から4月9日まで桜のライトアップを実施します.本日は植物園が保有する桜の品種の中で少し珍しいものについてお話しします.また,桜草についてもお話をします.